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「本当にヤるんですか宍戸さん!」
3年生である宍戸とずっとコンビを組んできた2年生の長太郎。
…確かテレビシリーズオリジナルでも、
合宿で二人が敵になって、長太郎がこんな感じに
泣きながら試合した時ありましたね…。
「甘ったれた事言ってんじゃねえ!」
さすが年上女房、宍戸さん。涙目のちょたに喝を入れますが、
この二人を長く見守ってきたファンとしては、実に美味なシチュエーション…。

鳳宍戸コンビに至っては、もう
「テニプリ同人誌サークルの伝説」
と言いますか
「神に許されたカップリング」と言いますか(笑)
…まあそんな感じの二人なので…見ていて安心感あって
「どうなるの?」と思いつつ「この二人が心底別離するわけがない」と。
この二人…というか氷帝学園が登場してからの
「テニスの王子様」人気は怒涛破竹の勢いでした。
2003年の、初めて開催されたテニプリ公式イベント「庭球祭」に
おいて、青学はメインメンバー全員の声優さん、
氷帝は跡部様役の諏訪部さん、忍足役の木内秀信さんが登場。
氷帝のユニフォームを着た二人への声援は、まるで
有明コロシアム全体を揺さぶるごとき。
私もファンも圧倒されましたが、一番ショックだったのは
青学声優陣だったのかもしれませんね。
青学の人気もそれなりにありましたし、当時の同人誌ブームは
ジャンル変動が大きく、スラムダンク以降の活動から
いかに進むべきか迷うサークルがたくさん流動していました。
その頃私は「頭文字D」ブームに乗っていたのですが、
同じジャンルで出会った親友から「テニプリ」を布教され、
アニメの「不二兄弟話」から入ったんですね。
「頭文字D」で壁サークルだった作家さん方は
手塚×不二、黄金ペアこと大石×菊丸
をプッシュする人が圧倒的だったのですが…、
ジャンプでこの鳳と宍戸のドラマが発表されたと同時に、
次々と新しいサークルがテニプリに参入。
もう2003年位から2005年くらいまでは
「壁大手=鳳宍戸」という方程式が
ほぼ成立していたと思います。
私も好きではあったんですけど、
それ以上に裕太以上に
ゾッコンだったもので…(^_^;)
少数ながらも、それでも公式とされる不二兄弟本を
ちょこちょこ出して、小規模のオンリーイベントの主催なぞやってました。
…今振り返ってみれば
「挫折した男が覚悟の為に長髪を切る」
という展開が…非常にセンセーショナルだったんです。
例えば、昔の武士がその地位や存在意義を捨てる為、
贖罪する為の行為が、
まさか21世紀の中学生の漫画で
展開されるなんて思ってませんでしたしね。
ただ、その前に「スラムダンク」において
「三井寿が、復帰を示す為に髪を切る」というドラマはあったので、
1999年くらいから、そんな風潮がジャンプに既に流れていたのかも…。
そう、まさに宍戸亮というキャラは、確かに「テニプリ」における三井寿
だったのかもしれません。
挫折を経て、強くなっていった情の深い男です。
声優である楠田敏之さんは脱サラで、なんと宍戸役は
初の声優の本格的お仕事。
物凄い強運の持ち主としか言いようがありませんし
(最近…置鮎さんより数か月年上と知って愕然!若い!)

子役時代は数々の吹き替えやアニメに出演し、
声変わり期間中はお仕事を休んでいた浪川大輔の
本格的アニメ声優復帰もまた、この鳳長太郎という役でした。
私も、久しぶりにアニメで浪川さんの声を聴いた時は
「こんな声になったんだ…!」と驚いた記憶があります。
なんせ
「嘘だと言ってよ、バーニィ!」という伝説の名台詞を
残した人でしたしね…。
私のテニプリ参入と同時に
お二人がこのキャスティングを射止めたのもまた
偶然的な運命だったのでしょう。
ちなみにプライベートでも、お二人のベタベタっぷりは
実に羨ましいい限りです。

今回、宍戸は後輩であり、可愛がっていた弟分の長太郎に
敗北します。
でもそれは二人の断絶ではなく、次なるステージへの一歩。

はい、そして氷帝公認ダブルスのもう一組がこちら。
忍足侑士(木内秀信)×
向日岳人(保志総一朗)
…なんですけど…
…岳人の活躍がテニプリで無いのは、
保志さんの他のお仕事が忙しいからなのだろうか…
ここで岳人は敗退。どうも彼は氷帝において
見せ場が無いんですよねぇぇ…(^_^;)
そんな岳っくんと対照的なのが、眼鏡S会員の忍足です。
木内さんが後に「黒の契約者」の黒を射止めるほどに出世したのも
ひとえにこのキャラのお影だと私は信じて疑わないのですが…
この忍足、実に美味なキャラでして…
ここ数年、すっかり世代交代で、沖縄比嘉中と大阪四天宝寺中
に人気を持って行かれる氷帝キャラの中で
ポジション的に一人だけ抜きんでています。
何故かというと、元々大阪出身の彼は四天宝寺の人気キャラ、
忍足謙也(福山潤)の従兄弟
だからなんですね!
これは「不二弟」である裕太にも言えますが、
所属する学校が敗北していっても、兄弟や親戚が青学や
メインライバル学校に所属していると、番外編や
アニメオリジナルストーリーでの出番が大幅に増加します。
忍足というキャラクターは、試合でこそ華やかな見せ場は無いにしろ、
跡部様を支える氷帝のナンバー2。
思いやりもあり、細やかな心配りの出来る人なので、
私も応援しています♪

それにしても今回は顔だけでなく、アクションも実に
丁寧に描きこまれていて…

思わず、
戦国BASARAの真田幸村もかくや
と言わんばかりの、岳人のアクロバティックに見惚れてしまいました♪
書いていてふっと思いついた事が、
「もしかしたら、タイバニで完全に確立されたオヤジ受け」
の発端というものは、既にテニプリの同人誌ビッグウェーブ
の中に兆しとして存在していたのかも…と。
「ハンター×ハンター」連載&アニメ放送中の頃はまだ
同人誌作家の中に
「女顔で細かったら、それだけで受け」
という保守着な思想が残っていた気がするんですね。
それが覆されたのが、まさにH×Hでクラピカの声を担当していた
甲斐田ゆきさんが、不二周助というキャラクターを
担当した時分だったんじゃなかろうかと。
「女顔で細いのに性格が恐ろしい→魔王攻め」という
カテゴライズが生まれたのも、不二先輩がキッカケ
だった気がしますし、実際古いBLのプロ作家さんが
テニプリに参入していた時は多かった不二受けが、
一年後くらいには、不二攻めのが多いくらいに…
逆に手塚受けオンリーがかなり大規模に開催されていました。
私はリョーマ×手塚、跡部×手塚だったので、
テニプリでは本当に…他にも裕太受けとか色々なオンリー
に参加しましたが、「不二先輩」というキャラクターが
時代の変遷を象徴しているの一人なのは間違いないような気がします。
それまでは本当に…いなかったんですよね、こう…
「ふふふ、ごめんね」って言って平気で
自分の為(自分が愛する人間の為)に他人を犠牲にして
いく美形攻めっていう存在が。
不二先輩のような「魔王美形攻め」が登場し、
宍戸さんで「苦労人の年上受け」が多くに愛され、
更に10年の年月を経て、「タイバニ」で兎虎という
美形年下攻めツンデレ×やもめ親父受け
というカップリングに少しずつ進化していったのではないかな…と
考える、今日この頃です。
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